今夜はタルタロスの攻略もなく平和に夜は更けていった。
「そいじゃオヤスミー」
順平はラウンジに未だ残っていた仲間にそう告げると鼻歌を歌いながら自室に戻っていく。
自分の後をこっそりとついていく人影に全く気が付くことなく。
結果。
「なんで!?」
順平は自室にて真田にベッドの上で押し倒されていた。
部屋に入ろうとドアを開けると真田まで一緒に滑り込むようにして入ってきたのだ。
そのままわけが分からないうちに真田は部屋の鍵を閉めると順平をベッドに押し倒した。
「駄目だぞ?ドアを開ける前には誰もいないのを確認してからじゃないと」
したり顔で注意される。それは一人暮らしの女性に対してするものだと思う。断じて、自分のような男にするまのではない。そう抗議したが
「そういう思い込みが危ないんだ」
あっさりと一蹴される。
「さあ、不注意がどんな結果を招くのか身をもって味あわせないとな」
真田は順平の服に手をかけながらそう言って不敵に笑った。
(なんでオレこの人とこんなことシてるんだろう)
天井を見上げながらぼんやりと考える。
煌々と部屋を照らす蛍光灯。
いつもと変わらないはずの自分の部屋での真田との情事はいっそ非現実的だった。
自分が男と、それも抱かれる側になるなんて。
しかも未だ直接知り合って半年も経っていない男と。
真田は初めて影時間に遭遇しコンビニで泣きじゃくっていた(らしい)自分を助けてくれた恩人ではある。
しかしそれだけでは身を任せる理由とは成り得ない。
無理矢理ではなかった。けれど、合意でもなかった。強いて言えば・・・・
(流された?)
そんなところ。
ある日、理由もないのに疼いて仕方がない躰を見透かされ「手伝ってやる」と言われ抱かれた。
それだけの話だ。
一度抱かれるとそれからタルタロスが休みの日は容赦なく抱かれた。
もともと何も知らない無垢な躰だ。あっという間に真田によって起こされる快楽に堕ちていった。
だから順平は真田を強く拒否することはできない。
気が付けば、服を全て取り払われていた。
「あ、明日はプールあるから!!痕はつけないで下さい!!マジで!!」
「・・・・・・・・・仕方ないな」
慌てて注意をすれば、不満そうな顔をしながらもつけないでくれる様子にホッとするが。
「っ!!」
チリッとした痛みが走る。見れば足の付け根のあたりに鬱血の痕ができているではないか。
「ちょ・・・!!」
抗議をしようとしたが
「ここなら水着でも見えないぞ?」
「そ、そうっすけど・・・・」
「なら、かまわんだろう」
そう言って再び近くに赤い所有印を施される。
「・・・・ん・・・・・・・」
正直言って、キスマークは嫌いだ。
それを見ると抱かれて身も蓋もなく真田に縋りついて乱れた自分の姿を思い出す。
どんなに次の日何もなかったふりをしようとも、忘れようとしてもそれを見れば一気に思い出してしまうのだ。
これ以上この男に支配されてたまるかと思うのに、それを嬉しいとも感じるのはなんでだろう?
「うあ・・・・っ・・・・・」
突然順平の自身を口に含まれた。
無意識に真田の頭に手を伸ばしその白い髪をかき乱す。すぐにでもイキたい。けれど出してしまうのも躊躇う。
「あ、・・・・・・・ぁあ・・・・」
紅い真田の舌が自身に絡みつく。
「出したいんだろう?呑んでやるよ」
「そんな・・・・・こと・・・うあっ!」
口答えした罰とでも言うように真田は指先で激しく擦り上げる。
止めてほしいのか、止めてほしくないのか、自分でも分からない。
「・・・・イけよ」
「――――!!」
真田の声に反応するように遂に順平は達した。
溢れ出す白濁を真田は全て飲み干す。
顔を上げると真田はぺろりと唇の端に残っていた順平の白蜜を舐めた。
それがまた順平の羞恥心を煽る。
「・・・・ん・・・あ・・・・ぁ・・・・」
真田に覆いかぶされながら、また振り出しの「何故自分はこんなことをしているのか」という問いに戻った順平。しかし
(キモチイイから、ま、いっか)
そう思って考えることを放棄して目の前の快楽に集中する。男なんてそんなものだ。
だから自分はこの男が好きなわけではない、好きな筈がない。
そして真田だってきっと今までになかったタイプの順平に対する好奇心を恋愛感情と勘違いしているだけだ。
いつか正気に戻ってアレはただの若気の至りだったと言うに決まっている。
(そんでキレイな女の子とスグにくっついて、オレのことなんか忘れるんだ)
だから、これはそれまでの関係。
自分はその時笑って真田を見送ろう。そう考えていたその時
「どうした!?」
焦った真田の顔。
「え?」
「泣いてるのに『え』じゃないだろう!」
頬に手をやれば、明らかに水滴が頬を伝って流れ落ちている。
止まれと思っても全く止まらない。
暫く泣いてる顔を覗き込まれたあと、急に順平の隣にごろりと寝転がった。
「寝ろ」
「・・・・いいんっすか?」
「何だ?」
「その・・・・・・シなくて」
言ってから後悔した。まるで自分が続きを強請っているみたいではないか。
(墓穴掘ったー!?)
「お前の涙を見たら、萎えた」
ぶすっとした顔。真田としても不本意らしい。
「・・・・・・・・スンマセン」
「いいから、寝ろ」
部屋の明かりを消され、順平は真田の腕の中で目を瞑った。
あとどれくらい目を逸らしていられる?
あとがき
ゲーム中にくっついてる話は基本的にこの二人で。たまに例外あるけど。
つまりゲーム前から順平に落ちてた真田君はシャドウに襲われてコンビニで泣いてた順平君を保護の上喰っちまったとさ。
その時のことは順平は覚えてないけど、躰は覚えているからさあ大変。躰が疼いて啼いてるところをまた発見され保護(というか捕獲)されまた喰われ今日に至ります。
なのでこの真田かなりS。心も手に入れる気満々ですが最初は躰からたらしこもうという作戦のようです。
正攻法(つまり告白から)でいったら断られると考えての犯行と思われます。
ちなみにこの時点での順平にとっての真田は頼れる先輩兼・・・・・・なんだろう?ってところでしょうか。
たーだーし!!そう上手くいくはずがありません。そんな楽な話は私(神)が許しません。
いくら好き好き愛してると真田が言おうとも先に手を出してますから順平は自分が好きと言った途端ぽいと棄てられる(or飽きられる)んじゃないかと思って
好きと自覚しても言ってくれません。ついでに感情自体認めません!
そのへんのジレンマからギクシャクする関係(毎度のことながら勿論鬼畜ルート!)で苦労して、やっといちゃこらできるんです。わあ大変ー。(他人事)
書くかはわかんないけど。これはナルさんの「真田はコンビニで順平を喰ったに違いない」発言から発展していった設定なのさ。
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