お礼その4

「好きだ」
ちょっといいか、そう言ってオレの部屋に入った途端の一言がコレだった。
「・・・・は?」
いつも以上に真面目な顔しているもんだから、何を言われるんだろうと思っていたオレは真田さんが何を言っているのか分からなかった。
隙、空き、SUKI、スキ、すき・・・・・好き?hahaha、まさかな。
「ス、スイマセン先輩・・・・。オレ、なんか聞き間違えたみたいで・・・。もう一度言ってくれません?」
「好きだと言ったんだが」
おーまいごっど。聞き間違えじゃなかったんだ。
「オレ、男ですよ?」
「見ればわかる」
不機嫌な顔で告げられる。
「じゃあ、なんで・・・」
寮には会長とか風花とかゆかりっちとかアイギスとか性格はともかくとして(風花はいい子だけど)キレイどころがたくさん揃ってるのに・・・・
なんで、オレ?
「さあな。俺はお前が欲しいと思った。それだけだ」
オレ、告白されたのか?はっ!まさか・・・
「冗談ではないからな」
あ、そうですか。
「本気だという証拠をみせようか?」
なんか企んでいる顔をしたかと思った次の瞬間には真田さんの顔しか見えなくなった。
唇に何かが当たる感触がする。
・・・・・・。
「返事は一週間後でいい」
じゃあな、と言って真田さんは去って行った。

ぷにゅって。

くち。

かんしょく。

やわらかい。

あれ?

いま、きす、された、のか・・・・・?



「▽√×∵%$#&Ω!!!!!!」


口を押さえる。
ファーストキスが。キレイだけど真田さんだ。男に。
一週間後って真田さんは言ってた。
なんて答えるんだ?オレ。


口を押さえたまま立っている順平の顔は見事なまでに真っ赤に染まっていて。
この様子だと返事は決まっているようだ。

 

馴れ初めボツ案再利用。