その1      



「今日は死神退治する」
エントランスにて、我らがリーダー亜藤君はこう仰いました。
いつものようにあらぬ方向を見つめブツブツ独り言を呟いたあとのことです。ちなみに今日のメンバーは戒・順平・ゆかり・コロマル。
「・・・・本気?」
「本気」
メガテニストならベス姉さまの依頼コンプリは当然!とわけのわからないことを珍しく熱く語っています。
「だーけーどなー」
顔をしかめる順平。こてんぱんにされた数々の過去を思い出したのでしょうか。
確かにレベル的にはそろそろ挑んでも十分互角に戦えるでしょう。
しかし今まで死神出現→全力で逃げろー!!捕まった奴はゴメン助けられない犠牲になってwその間に逃げるから、が基本だったのです。
そのため死神苦手意識が染み付いちゃっていますから、今更戦うと言われても、条件反射的に躰が逃げの体勢をとってしまうのです。
ゆかりも同感のようです。
しかしそれでもリーダーの言葉は絶対です。みんな仕方なくエントランスにある2階に続く階段を戒の後に続いて上り出しました。
(死神はフロアが狭いほど出現までの時間が短いので、死神を待つときは低い階層のほうが楽なのです)