小説       



「心地よいまどろみの中に」

目を開くと視界いっぱいに肌色が広がっていた。
「????」
頭の中にクエスチョンマークが浮かぶ。なんだこれ?
目線をだんだん上に上げていく。と、そこには心地よさそうに眠る真田さんの顔が。
あれ。なんで、さなださんが・・・・。
頭がぼんやりしていて働かない。それでも昨日のことを思いだしてみた。
えーと

えーと

えーと

流れる汗
しがみついた背中
力強い腕
焼け付くような痛み
宥めるようにキスが降る

「大丈夫・・・・か?」

ゆっくりと動き出す躰
ひどい痛みの後はわけがわかんねえくらいに気持ち良くて



がばっと体を起こした。
恥ずかし過ぎる!!
ぶんぶんと頭を振るけど全然消えてくれない。
(そっかオレ・・・・・昨日真田さんと・・・・・)
初めてしたんだ。
真田さんは優しかった。
自分も辛いのに、オレの躰のほうばっかり気遣ってくれて。
ってまた思い出してるよ。
ああもう!オレがこんな思いしてるのにあんたはなんでスヤスヤ寝てるんだー!!
八つ当たりなのはオレだって分かってる。けど、そうでもしないとやってらんねえよ!
ムカついてその綺麗な顔の鼻をつまもうとする・・・・けど止めた。なんか起こしたら勿体無いくらい気持ちよさそうに眠ってたから。
代わりに観察することにした。こんなときでもなきゃここまで見れないしなー。
やっぱ綺麗だなこの人。
うお、まつげなっげ。
肌も白いし・・・。
そういやこの唇がいろんなとこ・・・・


「やめ・・・・っ・・きたな・・・あっ」
「そんなことはない。しかし、お前の躰はどこもかしこも甘いな・・・」


だああああああ!!!!だーかーら思い出すなって!!
頭を抱えてじたばたしていると、突然腕を掴まれて布団の中に引き戻されて、真田さんと目が合う。
「・・・・・・」
真田さんは眉をひそめてオレを見ている。
「さ、さなだ、さん?」
「・・・・・・」
まだ、ねてろ。
ばそりとそう耳元で囁いた後また目を閉じてしまった。
真田さんの腕の中で身動きがとれなくなったオレは真田さんを見上げるけど再び起きる気配はない。
もしかして、寝ぼけてたのか?
しばらくもぞもぞと動いてみたけど、がっしりと腕は交差して開こうとしない。
しょうがないからそのまま胸のあたりに顔を寄せて目を閉じる。

直接触れる肌は暖かかった。

トクン、トクンと真田さんの心臓が動いている音だけがが聞こえる。

次に顔を合わせたらこの人に何と言おうかと考えていると、オレもいつのまにか眠りに落ちる。



とりあえず、おはようございますと言って笑ってみようか?


END

あとがき
目標「格好良い真田・乙女順平」だけど真田ずっと寝てんじゃん!!
乙女しか達成できてないよ!きしかさんとチャットしていたときに何故真田がへたれ化するのかが分かりました。
脳内順平が男前すぎたんです(爆)そのため相対化して真田がへたれにおそらくなったのだろうと。
そこで乙女を目指したんですけど、真田寝てるし。まだまだ修行が足りません。次回頑張ろう!
・・・・・馴れ初め編の真田のへたれっぷりはもう諦めました。