(いまだ!!)
自分に手が届かんとしたまさにその瞬間一瞬の隙を突いて立ち上がって走り出す。
動きは非常にゆっくりとしたものだったから、遠くに逃げてしまえばこっちのものだと考えたのだ。
そしてそれは上手くいくかに思われた。
だが、ソレは常識では考えられない存在だということを計算にいれていなかった。
『ジオ』
「うわっ!?」
躰に電流が走る。スタンガンを押し付けられたらこんな感じだろうか。
順平はその場に倒れこんだ。
ジオ―――初歩の雷の魔法。だが、効果は絶大だった。
順平は何が起こったのかわからなかったが、不味いことになったことだけははっきりと認識できた。
(躰が・・・・うごかねえ・・!!)
意識はあっても躰が全く意思を受け付けない。
順平はそれが何故だかわからなかったがバッドステータスの一種、感電である。
しかし、もしそれを順平が知っていたところでどうにかなったわけでもない。
(誰か・・・・!)
そんな順平の願いも空しく、遂にソレは何本もある手で順平を絡め取ってしまった。
喰われる。そんな文字が頭をよぎるが、ソレの行動は順平にとってまだそちらのほうがマシと思わせるものだった。
「だれ・・・かっ、・・・たすけ・・・うぐっ!!」
開いた口に指を突っ込まれる。
拒否しようと思いっきり噛めば、柔らかくあっさりと噛み切れてしまう。
噛み切られた指を気にするでもなく指から下部分だけになりながらも順平の口の中を暴れまわり、喉の奥まで犯していく。
ソレの纏っている粘液だろうか、妙に甘ったるい、独特の味が口中に広がる。
声を出そうとした瞬間にソレの体液らしきものをごくりと飲み込んでしまった。
シャツを引き裂かれ、ボタンが弾け飛ぶ。
ねっとりとした体液が肌に直接触れて気持ち悪い。
「や、・・・めろっ・・・・!!!」
僅かに動くようになった躰で必死に暴れようとするが、逆にそれを利用され余計に衣服を脱がされる。
肌蹴た衣服の隙間から手が差し入れられ、肌を撫で回す。
「うあっ」
ソレの手が肌を這い回るうちに胸の飾りを探り当てた。
するとソコを執拗に弄くりまわしだす。
押しつぶしたかと思えば、引っ張ったり、引っ掻いたり。
柔らかかったソコがだんだんとつんと尖ってきた。
普段は気にしてない、どうでもいい器官だったはずなのに、やけに熱く感じた。
「・・・はぁ・・・っ、・・・・あっ」
そのうちに自分が出しているとは思えない、甘ったるいくぐもった声が出てき始めた。
(嘘だろ・・・!?)
なんでこんな奴に触られてオレは声なんか出してるんだ。
そちらに意識がいっているうちにいつの間にかズボンをズボンを下着ごと下ろされていた。
ふと、目の端に何本もある腕とは違う形をしているものが写る。指もなく、蛇のようにのた打ち回っている太いソレ。
うねうねと動くソレは順平の下肢に向かっていく。
(まさか)
そのまさかだった。
(いやだ)
躰を持ち上げられ、足を広げさせられる。
(だれか)
暴れようとしたが、まったく動かない。
「いやだあああああ!!!!」
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が周囲に響き渡る。
「いやだっ・・・・あっぁ・・・・」
抽送の激しさが増すごとに悲鳴に混じる嬌声も大きくなる。
生暖かいモノが体内に放たれる。
もう何回達しただろう。
抵抗もできないままに何度も犯された。
奴が囁いている気がする。
堕ちてしまえ。
快楽に身を任せ。
そうすれば楽になるぞ?
誘惑を意地で撥ね退ける。
ここで意識を失ってしまえば楽にはなるが、それをしてはいけないと本能で感じる。
そうしたらおそらく、自分は壊れてしまう。
しかし、あとどのくらい自分がもつのかは分からなかった。
全く終わりの見えない責め。わけのわからないものに犯される恐怖。経験したことのない圧倒的な快楽。
絶望で折れそうになる心を支えているのは男としての矜持だけだった。
どうして、こんなことに。
今日ここに来なければこんなことにはならなかったのか?
あまりにも理不尽すぎる。
「ひああっ!!!」
絡みついた手が巧に自身を上下に扱き再び無理矢理達せられる。
「・・・・ぁ・・・あ、や、・・・・んっ・・・」
もう駄目だ。既に限界を迎えていた躰を必死に精神で持たせてきたのだが、プツンと切れた。
『ソレ』がうっそりと嗤った気がした。
起きろと叫んでも、瞼は勝手にゆっくりと閉じていく。
順平の意識は闇へと飲み込まれていった。
あとがき
ある意味媚薬ネタ?う~ん疲れたー。次回真田登場。格好良く書きたいな。けど・・・・鬼畜ルートなんだよねえ。
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