真田は2階に上がると廊下に並んでいるいくつかのドアのうちの1つの扉を開けた。
暗闇の中、ぼんやりと整然と片付けられた室内が見えた。
「ここは・・・・」
「俺の部屋だ」
真田は部屋の奥へと進むとベッドに順平を優しく横たえると、部屋に備え付けてあった洗面台の方へ向かう。
「・・・・?」
不思議に思いその様子を観察していると、棚から洗面器らしき器を取り出して水の出口に置き、蛇口を捻った。
みるみるうちに溜まっていく水。
ある程度水を張ると器とタオルを持って順平の方へと戻ってきた。
そしておもむろに順平の上半身を起こさせ、ボタンが飛び散って掛けられただけだったシャツを脱がしていく。
「さ、さなだセンパイッ!?」
ひしひしと感じる嫌な予感に声が裏返る。
「なんだ」
「なにするつもりっすか!!」
「なにって・・・躰を拭くつもりだが」
ナニが悲しゅうて同性にそこまでやってもらわなきゃいけない。
「だが動けないんだろ。早めに落としておいた方がいい」
順平の躰にべったりと張り付いたシャドウの粘液を見ながら言う真田。
「順平、お前が嫌がる気持ちもわかる。しかし人体にどんな影響があるかわからん。最悪死ぬ可能性だってある以上、このままにしてはおけん」
真摯な表情で順平を説得する真田。本当に順平を心配しての行動なのであろう。それが分かるだけに始末が悪い。
「大丈夫。これは人工呼吸と同じようなものだ。命の危険があるときに、細かいことは気にしていられないだろう?」
「うううぅ・・・・・」
結局肯くしかなかった。



真田はタオルを水に浸すとぎゅっと絞り、順平に近づけた。



首筋

鎖骨

背中

片手で順平の背中を支え、もう一方の手で濡らしたタオルを持つと真田はひとつひとつ、順平についたシャドウの痕跡を丁寧に落としていく。
(なんかムズムズする・・・)
痛くはないけれど、変な気分だ。こそばゆいというのが一番近い気がするがそれもどこか違う。
特に胸のあたりは重点的に弄られたせいで汚れも多かったが、何回かにわけて拭くうちに赤い飾りが姿を現した。
「!・・・・ぁ・・・」
「すまない、痛かったか?」
胸の飾りが擦られる感触に自然と出てきた声に素早く反応し手を止めすまなさそうに謝る真田。
「イ、イエ・・・・・」
「ならいいが・・・」
再び作業に戻る真田。今度は反対の胸のあたりを拭きはじめた。
(気にしない気にしないコレはジンメーキュウジョ!!)
心の中で念仏の如く唱える。
気にしないようにするが、一度気になりだすとどうしてもそちらに意識がいってしまう。
目を瞑って気を逸らそうとしたが余計に感覚が鋭くなり気になってしまう。

(うわあああオレのアホー!!)

「・・・・は、・・・ぁ・・・」

タオル独特の感触が擦れるたび柔らかかった突起はだんだんと尖りを増していくのに、真田は拭くことを止めない。
(気付かれてねえよな?オレまだシャドウとかいうやつの影響が残ってんのか!?)
コンビニでの狂態が脳裏に蘇る。またあの醜態を晒すハメになるのは御免だ。

「先輩!!もーソコいいっすから!!っていうかアリガトーゴザイマシタ、だからもういいっす!!」


「・・・・そうか」

真田の手が後ろに下がり寝かされたことにホッとする順平。しかしそれは甘かった。
ズボンをいつの間にか脱がされていたことに気付いたときには時既に遅し。
「ちょっ・・・あっ」
動けないのをいいことに足を大きく割り開かされ膝を立てた状態にされる。
ギシリとベッドのきしむ音。真田がベッドに乗ってきたらしい。
「まだだ、あと一箇所残っている」
真田が乗った位置は順平の頭とは反対のベッドの下側、つまり順平の姿が丸見えなわけで・・・・・・
「掻き出さないと、いけないだろう?」
(ギャー!!!)
「だからって・・・・躰が動くようになってから自分でやるっス!!」
「駄目だ。奥にまで入っているのは自分では取れない」
(だからってだからってー!!)
なんかさっきからずっと同じパターンで押し切られてるよなあ自分と思いつつもどうすることもできない順平だった。



蕾をまじまじと痛ましげに見つめられる。
「血が出ているが・・・・大丈夫か?」
(だからなんで聞くかなそういうことをさー)
つぷりと節くれだった指が秘所に押し入ってくる。
シャドウに散々嬲られたソコはあっさりと抵抗もなく真田の指を飲み込んだ。
「っあ・・・・・」
思わず出てしまった喘ぎ声。それに気付くことなく指を奥へと進める真田。
こうなったらもうさっさと終わらしてくれと祈るしかなかった。




「・・・・っ・・・・ひ・・・ぁ・・・」
ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てながら掻きだされていく順平のナカに留まっていた液体。
唇を噛み締めていても声は漏れ出していく。
せめて耳を塞ぎたいのに動かないからそれすらできない。
ふと、真田が指を引き抜いた感触に目を開くと、黒いネバネバとしたものが真田の指に絡みついている。
もしかしなくともそれは順平のナカから溢れた液体だろうか。
真田はタオルで指に付いた液体をタオルで拭うとどこからかチューブを取り出した。そしてキャップを外すと中身を指にたっぷりと塗りつける。
「・・ぁ・・・・・っ・・・」
ひんやりとした感触が秘所に広がる。
「化膿止めだ・・・多少、副作用があるかもしれんが我慢してくれ」
そう言って真田はチューブをまた絞ると、一気に奥まで指を差し込む。
「や、あっああああ!!!!!」
「ああすまない、加減を間違えた」
謝っているのにちっとも悪いと思ってないような声色だ。しかし順平に気付く余裕などあるわけがない。
「ん?ここにまだ塊が・・・・」
「ひゃあっあ、あ、あ、んぁあっ」
真田がソコを掠めた途端、躰に電流が走った気がした。
「だめっ、そこ、も、っ・・・・んぁあ!!」
駄目と言っているにも関わらず真田はソコを刺激し続ける。

「もう少しだから」

ただ宥めるようにそう言っては容赦なく順平のナカを掻き乱す。
もはや声を押し殺すことなどできなかった。
真田の指の動きにあわせて声を感じるままに上げるのみ。
躰が燃えるように熱かった。あのシャドウに犯されたときよりも下手をしたらもっと。
あとすこし、あと一回真田がソコを擦れば達するというところまで熱が高まったその時―――

「終わったぞ」

「・・ぁ・・・?」

真田の指が順平の秘所からそっと引き抜かれる。
「よく頑張ったな」
優しく頭を撫で、微笑みかける。
「・・・・・・そ、んなっ・・・」
ホシイ。モット。イキタイ。モット。燻ったままの躰が出口を求めて騒ぎ出しているのに、真田は止めると言う。
この高ぶりはどうすればいい?自分の思いとは裏腹にさわやかに笑う真田が恨めしかった。
「ん?・・・ほかにしてほしいことがあるのか?」
そうだ、この人に責任をとってもらわなきゃ、ぼんやりとした頭で思いついた言葉は、消えることなくどんどん順平を支配していく。
「・・・・ぁ、せ、ん・・・・ぱ・・ぃ・が」
「俺が?」
軽く指でヒクツク入り口をなぞられれば、熱で浮かされたように口走る。一度言葉が出てしまえば、あとは勝手に流れ出ていく。
「ほしっ・・・ぁ・・・、おねっが、ぃ」
「・・・・・わかった」
真田が口の端を持ち上げ愉快そうに返事をする。
「すぐにやるよ」
ズボンの前をくつろげると一気に貫いた。
「ひ、っぁ、ぁああっ!!」
待ち望んでいた感触に歓喜の声を上げる順平。しかし激しすぎる抽挿にその悦びは消される。刺激が強すぎたのだ。
「もぉ、やぁ、だぁああ!!」
強すぎる快楽に恐怖感すら覚える。このまま自分は壊れてしまうんじゃないかと・・・・・。
頭を激しく左右に振って自分を取り戻そうと必死になる。真田は奥まで到達するとすぐにずるりと引き抜き、また根本まで深々と収めた。
「あうっ・・・・・くぅん、・・・んっ・・っ・・!」
しかし真田の動き一つであっさりとその努力は無に帰してしまう。
「欲しいと言ったのはお前だろう?たっぷり注いでやるよ。お前の躰が・・・・『コレ』の味を覚えるまでなあ」
『コレ』と言ったあたりで大きく揺さぶれば、悲鳴に似た嬌声が即座に上がる。

「ただし、これは夢だ」

「・・ゆ・・・・め・・・?」
真田の動きが突然止まり、息も絶え絶えで喘ぐ順平が言葉を機械的に繰り返す。
「そう、あんなものに襲われたのも、俺とこうしていることも、明日になったら全て忘れるくらいの・・・・儚い夢」

「お前はコンビニでいたところを俺に保護された、それでいい」




「今は、な」

真田はそう言って喉で嗤うと、再び順平を揺さぶり出したのだった。

END



あとがき
真田がメパトラジェム使わないのはわざとです。というか今気付いたけど感電って躰動いた気もしてきた・・・・・きっとシャドウの体液に躰を麻痺させる作用もあったんだよ!(汗)
最初風呂えちにしようと思ったんだけどねー、なんか上手くいかなくて変更。本当エロって難しいね。頑張って鬼畜紳士目指しましたけど・・・・どーだろ?
順平は正論で固められると弱いと思います。それと人の善意。だから人につけこまれるんだ。
真田の言ってた化膿止め・・・・・・副作用ってなんなんでしょうねえ?(邪笑)
蛇足としては、真田は順平が気絶した後風呂に抱きかかえて行って再び掻き出したそうです(ホント蛇足)