柔らかな双丘の谷間に息づく順平の蕾の上を熱く湿ったものが這い回る。
大きく足を広げたあられもない姿を晒しながら、最奥に通じる場所を荒垣に舐められている。
それだけで、気が狂いそうだった。
「…っ…はぁ」
心を寄せた人と一つに、繋がる。
誰でもない自分が望んだこと。
硬く閉じたそこに荒垣の昂りを受け入れるためには必要なことなのだと…何もしないままでは、受けいれ
ることさえ難しいのと頭では判っていても、強烈な羞恥と初めて経験するむず痒いような感覚に、身体が
のたうつのをとめる事が出来ない。
荒垣が順平の後孔へ尖らせた舌先を差し入れる。
「ひっ!!」
それまで感じていた感覚とは違う強烈な快感に、順平の身体が仰け反る。
体中に纏わりつくようなねっとりとした悦楽に、がくがくと腰が揺れる。
「ん…はぁ…っ…」
にゅるにゅるという感蝕をしたものが荒垣の舌なのだと思った途端に、更に強い快感が順平の全身を襲
い、甘い嬌声が上がる。
このまま、そこから蕩けてしまう。そんな錯覚さえ抱いてしまう。
「あ…っぁ…ん」
順平の蕾を丹念に舐り、舌を漏斗代わりにして自分の唾液を充分に順平の中に注ぎこんでから、荒垣
はたっぷりと自分の唾液でぬらした指を一本、順平の中へと差し入れた。
「…ん…はうぅ…」
舌よりも長い節くれだった荒垣の指が、探るように順平の中を動く。
「キツくないか?」
「…へ…き…っす」
差し入れた指をゆるゆると動かしながらも、自分を気遣う荒垣の姿に順平が微笑む。
「…きつい…どころか…気持ちよ…くて」
もっと痛いものかと思っていたのにと、順平が告げると、荒垣が笑う。
「…なら、もう一本入れるぞ?」
順平の返事を待つことなく、荒垣が先に入れていた指に沿わせるようにして、もう一本指を差し入れる。
「んっ…」
急に増した圧迫感に、順平の身体が一瞬強張る。
順平の身体の強張りが取れるのをまってから、荒垣が指を動かし始める。
ゆっくりと円を描くようにして動く指先。
始めのうちはそろっていた指がそれぞれ中を広げるようにしてばらばらに動き始めると、順平の身体に、
衝撃のような悦楽が駆ける。
「や…あぁぁ!!」
「…ここ…か?」
順平が感じる場所を探り当てた事に気付いた荒垣が、確認するようにその場所をつつく。
「…あぁぁ!!」
さっき一度達したばかりだというのに、また昇り詰めてしまいそうなほど強烈な快感。
見れば、順平自身が起立し、先走りの蜜を零している。
「あ…はぁ………」
強烈過ぎる快楽に、順平の目尻に涙が滲む。
その涙を舐めとってやりながら、荒垣が更に差し入れる指の本数を増やした。
感じる場所を突付かれている為に気が紛れているせいなのか、それとも、既に充分に中を広げられたの
か。順平の後孔は殆ど抵抗らしい抵抗を見せずにすんなりと荒垣の指を飲み込む。
「…あ…っはぁ…」
くちゅくちゅという水音が立つたびに、順平の身体がびくびくと震える。
「…や……荒がき…さ……オレ…い…イっちゃう…よ」
体験したことの無い強い快感が怖いのか、順平が荒垣の身体に縋りつく。
「…我慢することはねぇ。…何度でもイけよ」
そう言って、荒垣が順平の感じる場所を強く抉り、順平を2回目の絶頂へと誘った。
「…はぁ…っ…はぁっ…ん…」
立て続けに絶頂に導かれた為にぐったりと力の抜けている順平の中から荒垣が指を引き抜く。
ゆっくりとした動作で自分のズボンの前たてを寛げて既に天を仰ぐほどにそそり立った自分自身を引き
ずり出しすと、慣れた手つきで自分自身にゴムをかぶせる。それから、すんなりとした順平の両足を掴ん
で大きく開かせて胸の辺りに触れてしまいそうなほど折り曲げさせると、滴るほどに濡れているその蕾に
怒張した自分自身を押し当てた。
「…あら…が…き…さん?」
まだ、快楽の余韻のせいで意識のぼやけたままの順平が不思議そうに荒垣の名を呼ぶ。
「……そのまま…力抜いてろ、順平」
そういって、荒垣がゆっくりとした動きで腰を進める。
「ひっ!!!」
それまで順平の中を蠢いていた指などとは比べ物にならないほどの質量と硬さをした荒垣自身が齎す
圧迫感に、順平の目が見開かれる。
それと同時に順平の内壁がきゅっと窄まり、強く荒垣を締め付ける。
「ん…く…っ…ぁ…」
苦しさに順平が息を詰まらせるのを見て、荒垣が腰の動きを止める。
「…ゆっくり…息を吐け」
少しでも楽になるようにと、荒垣が順平に耳元でそう囁きながらその形の良い耳朶にねっとりと舌を這わ
せる。
「は……っ…はぁ…」
それに従う他、この苦しさから逃れる術を知らない順平が必死に息を吐きだす。
「……辛い…な……わりぃ…」
ばつが悪そうにそう言った荒垣が何をしようとするのかを察した順平がその逞しい腕に縋りつくように自
分の手を伸ばした。
「…キツいけど…平気っす…よ」
ここで止めたら、自分よりも遥かに辛い筈なのに、それを微塵も感じさせることなくただ自分を気遣ってく
れる荒垣の優しさが嬉しくて、順平が言う。
「…順平」
「…もっと、奥まで…入れて…よ…」
もっと奥で荒垣さんの熱を感じさせて…一つに融けあって、ドロドロになるほど蕩けさせて欲しいと、順平
が告げる。
「…煽るなって…言っただろうが…」
荒垣は小さく笑うと、ゆっくりと腰を進め始めるのだった。
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