(オレ・・・・・・死ぬのかな・・・・・)

ごほごほと咳をする。煙で目がしみて涙が出てきた。
タルタロスで戦っているとき炎は恐れるものでなく自分の味方だった。
己自身が行使し全ての敵を焼き尽くさんと共に戦った。
それが今、牙を剥いて自分に襲い掛かる。
ここまで死を身近に感じるのはあの駆け抜けるように過ぎていったあの一年以来だ。

目を覚ましたときには辺りは炎に包まれていた。
逃げようと思っても躰が全く動かない。

(真田さん・・・・・・)

哀しい顔をした真田が脳裏をよぎる。
笑って欲しいのに。
自分はどうすることも出来なかった。

いつの間にか変わることに臆病になっていた。今になって気付く。
あの時の自分ならこんな結果になっていただろうか?
やれることは精一杯やっておくと学んだあの時。
もしもなんてありえないのに考えてしまう。

(もし・・・・また会えたら、今度こそ・・・・・・好きって・・・・・言いてえな・・・・・)

意識がどんどん混濁してくる。
眠ってしまえば死ぬと分かっていてもどうすることもできない。

「順平!!」

遠くで自分を呼ぶ声がする。
(真田さん・・・・・・・・?)
躰がふわりと浮き上がる感覚に目を開けてみれば間違えるはずもない自分の大切な人の顔。見たことがないほど焦った表情をしている。
(マボロシが見えちゃってるよオレ・・・・・でも、最期に会えたから嬉しいなあ)
うれしくてつい笑ってしまった。
「ッ!!」


燃え盛る炎の音を聞きながら、順平は遂に気を失った。


かみさま、もしいるのならおねがいです。
もうこれいじょうあのひとがかなしむことのないようにしてください。


そこにおれがいなくてもかまわないから。



END

「LOST MEMORY」1に続く。


「LOST MEMORY 」全体あとがき

さて「LOST MEMORY」はいかがでしたか?
前にもあとがきでちょろっと書きましたがこれ「壊れかけの嘘」から始まるシリーズのパラレルみたいな感じです。
ボツになった鬼畜真田案が勿体無くて・・・。


「The begining of their love」とは違いどっちにも非がある二人。
順平視点だと真田の行動は鬼畜に(特に写真撮って脅すあたり)見えますが、真田の心理を見てみると
好きな人となんでかそういう関係に→ちょっとくらいくっつかないかなー、という期待も出てくる→突然の訪問→なにかな?→「好きな人ができました」(それも男)→ヤケクソ
ってなところです。けっこう哀れ。
あの後正気に戻って物凄く後悔したのですが後の祭り。
自分でもどうすることもできない(真田にしてみりゃ止めちゃえば躰の関係すら失われますから)→順平にひどいことをやらかしてなまた後悔→でも止められない という悪循環に陥っていました。
順平は順平で自分のせいだと思って耐えますから事態はまったく動きません。
ついでに真田は順平に拒否してほしかった面もあります。
ひどいことして拒否ってくれればそれをきっかけに止めれそうと思ったけど、躰を傷つけるのはできなかったので言葉責め&羞恥プレイもどきに走りました。
あはは馬鹿じゃん。(おい)
真田が名無しの友人を睨んでいたのは順平の「好きな人」が彼じゃないかと一瞬疑ったからなんですね。
でも思い直した。
順平の「好きです」の言葉に嘘はなかったから。それは分かっていたから。
だからこそ真田は過去が発覚することを恐れたんです。
自分を好きでいてくれた想い人にひどいこと散々しちゃってますから。思い出されて嫌われたくなかったんです。けっこう切ないな。


順平は自分で記憶を消したと言っていましたが、たぶん無意識にやっちゃったんじゃないかと。
昔はよかったなあと思ったのか、自体をなんとかして動かしたいと思ったのか。
ペルソナは使わなければ出てこないだけで、いないわけじゃないですから(ペルソナ1・2確かそういう感じだったよな?)火に耐性ありますし。
火では死なないと(無意識では)知っていたのか?

・・・・・自分もよくわかってない、脳内キャラが勝手に動いた結果の部分も多いんですけどね(苦笑)



次は何かこうかな。
拍手更新しようか。
今度は真田の記憶喪失(これはギャグ・EROも付くかも・おそらく真田視点)をしようか。題名と大筋のストーリーは決定してるんですよね。
途中で放棄してる(真田+ガキさん)×順平EROにしようか。
あとラブホ(ゲーム中)ネタにしようか。これはただのギャグ。
うーん他にもいくつか書きたいやつがあんだよなあ。

とりあえず今回はここらへんで失礼します。
ここまで付き合ってくださった方、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!