真田さんの腕の中で完璧に石化する。だって、彼氏って。んで真田さんオレ抱きしめてるしー!!!!!!!!
なんとかじたばたと動くと開放してくれた。だけどオレの行動を抵抗ととったのか
「・・・・・・・すまない。お前は覚えていないのに押し付けてしまって・・・・」
哀しそうに謝る真田さん。そーじゃなくて聞きたいことがあるだけなんだけど。
「オ、オレ真田さんにとうとう告白したんっすか!?」
「え?」
目を見開く真田さん。
もしかしてこれオレを励ますための真田さんなりの冗談?
・・・・そっか。当たり前だよな。そんなことあるわけないじゃん。
ははは・・・・。頑張るって言った傍からバラしちゃってるし。どれだけバカなんだよオレ。
真田さんの反応が怖くて下を向く。冗談ですって言うには本気で言い過ぎた。どう言っても取り繕えないだろう。

「順平、お前は、俺が、好きなのか?」

いやに文節で区切って聞いてくる。やっぱりアレは冗談だったんだ。その問いに無言で肯く。

沈黙が痛い。

「スイマセン・・・・・・。気持ち悪いっすよねこんなの、今すぐ出て行きますから」

どうか嫌いにならないでと、とても無理なことを願いながら背を向けて玄関に歩き出そうとした。
けど出来なかった。
真田さんにしっかりと腕を掴まれたから。
そのまま抱き寄せられる。
「っ!!同情なんかいらない!!」
必死で抵抗するけど力ではこの人にゼンゼン敵わない。涙で視界が滲む。チクショウ。頼むからこれ以上オレを惨めにしないでくれよ。
だけど真田さんは離そうとせず耳元で囁いた。

「好きだと言ってくれ」
「なんでンなこと・・・・!!」
「好きなんだ」
「・・・・・・!!」
「もともと俺がお前に付き合ってくれと頼み込んで始まったんだ」
はあ!?思わず顔を上げて真田さんの顔を見るけど嘘を言っているようには見えない。
「だから、お前は何にも言ってくれなくて・・・・」
不安だったんだと哀しそうな顔。未来のオレ、なにしてんのさ!!哀しい顔を止めて欲しくて必死で言葉を紡ぐ。

「すきです」

「真田さんが好きです」

「ずっとずっと好きでした」

そう言えば真田さんはとても嬉しそうに笑って更にぎゅっとオレを抱きしめる。

「もっと言ってくれ」

「好きです・・・・す・・・・」

それ以上の言葉はキスに飲み込まれて出せなくなった。