「ただいま」
「あ、おかえりなさーい」
あれから数日が経った。真田さんの住んでるところはオレが増えても全然大丈夫なくらい広かったけど、流石になにもしないのもアレなので家事をやらさしてもらってる。
結局大学は休学。バイトとかへの連絡も真田さんがやってくれたらしい。なんか全部世話になってて悪いな。
それにけっこうオレのと思われる物もあったから服とかにはそんなに困らなかった。
オレと真田さんはソファとベットを一日交代で使いながら別々で寝てる。オレはソファでいいって言ったんだけど真田さんがベッドで寝ろって言って聞かなくて。
しょうがないから折衷案で交代でになった。恋人同士なのになんで一緒に寝ないかって?真田さん曰く「隣で寝てたら必ず襲うからな」だそうだ。真顔で言うことかよ。

ってかオレどっち?洗濯物を取り込みながらはたと気付く。

オレつっこむの?つっこまれんの?

アホかもしれないけこれ大事なことだよなあ。
でも真田さんに聞いたら「実地で教えようか?」って言いかねないよ今のアノヒトなら・・・・・・。
なんかスキンシップ激しいし。隙あらばキス仕掛けてくるし。キャラ変わってません?って言いたくなるくらいオレを甘やかそうとするもんな。
真田さんはオレの躰が本調子になったらシタイと言ってたけど、どっちなんどろう・・・・・。

考え事をしているうちに躰が動いて気が付けば全部洗濯物を取り込み終わっていた。
部屋に戻りよいしょーっと一箇所に放る。どーせ今からたたむからこんな扱いでいーのさ。
「順平」
「何です?」
振り向けばすぐ傍に真田さんが立っていた。真田さんはオレの顎を掴むとキスをする。
「んっ・・・・」
軽いキスからだんだん深いものに変わっていく。舌が口の中を動き回る。息が出来ない。
がくがくと躰が震える。
立っていられなくてオレは真田さんのシャツの裾をぎゅっと掴めば真田さんが笑う気配がした。
たっぷりと時間がたった後やっと放された。
銀色の糸が伸びてぷつりと切れる。真田さんはオレの顔を覗き込んで尋ねる。
「駄目、か?」
・・・・・・この場合の駄目ってシテいいかの駄目なんだろなあ。
この調子じゃオレ、つっこまれる側?うーむ心の準備が・・・。
「すまない・・・・・・。お前が受け入れてくれるまで待つつもりだったんだが・・・・・・・・」
うお!先輩その瞳は反則ですって!そんな切なげな瞳で見つめないでくださいよ!
ってかオレ返事しないといけないのか!?ハズいって!!
けど真田さんはオレがオッケーと言わない限り待ってくれるらしい。

・・・・・・・・・・はあ、と溜息を一つ吐く。

ベッドでしてくれるんなら、いいです。

ぼそりと呟けばパアッと嬉しそうな顔に早変わりするとオレを抱き上げ姫ダッコでベッドに直行。
アンタ恥ずかしすぎだー!!