真田は修学旅行だというのにちっとも楽しくなかった。

「リョージ、これ食ってみ。ウマイぞ」
ぽい、と持ち込んだ自分のお菓子を望月の口に投げ入れる
「あ、本当だ」

「浴衣というのもいいですねえ、順平くん」
「なかなかですなあ、リョージくん」
あはは、と訳知り顔をして笑いあう二人

と、いうように彼の最愛の人順平が新しくできた友人にかかりっきりで自分のことをかまってくれなかったからである。
もちろん順平にだって友人関係はあるし自分ばかりと話すわけにもいかないということくらいは理解している。
しかし!そこはそこ。これはこれである。修学旅行とはいえ旅行は旅行。真田だって性春(誤字にあらず)まっさかり
ちょっとくらいいちゃいちゃできないものかなと期待せずにはいられなかったのである。
それなのに!彼の恋人はそんな真田の心境も知らず帰国子女というふれこみのマフラーにべったり。(真田視点)
おいしそうなごちそう(肌蹴た浴衣、最中を連想させる湯上りでピンクに染まった頬)を目の前にしながらも全く手が出せないつらさといったら!

だからこれは当然の罰なんだと真田は自分を正当化した。
―――――順平をトイレに連れ込みながら。

「な、なに考えているんすか!?真田さん!」
夜中という時間を気にしてか順平が小さく抗議する。
まあ、嫌がるのも当然かと真田は思う。夜中の廊下偶然ですれ違った順平を強引に障害者用のトイレの個室に連れ込んだのだから(ちなみにここでなら、多少暴れても問題ないだろうという計算の下である)
影時間では当然ないので、誰かが今すぐにでもトイレに入ってくるかもしれない。そんなところでコトに及ぶのはけっこう常識人な順平にしてみれば絶対に有り得ない行動だろう。
(――――だが悪いな。もう止められん)
暴れる順平をものともせず壁に押し付けると耳たぶを甘噛みすれば、ピクンとかわいい反応が返ってきた。 そのまま舌を耳の奥まで侵入させ嘗め回す。
「ヒッ・・・・」
「何を考えているかだって・・・・?」
すばやく右足を両足の間に割りいれさらに身動きができないようにする。
「お前のこと以外にありえんだろう」
顎をつかんで瞳を覗き込めば見えるのは

驚愕 常識 ためらい 信頼 愛情 恐怖  ・・・・そしてわずかに期待か

くすりと凶悪な笑みが零れ落ちれば、順平の顔が恐怖で引きつったのがわかる。
宥めるように口付けをしながら今度は左手を肌蹴た襟から侵入させて胸の飾りを弄くりまわす。
軽めだった口付けはどんどん深くなり舌が我が物顔で暴れまわる。
「――――!!!!」
苦しそうだったので唇を開放してやるといままで噛み殺してきた喘ぎが漏れ出す。
「・・・・アッ「いいのか?周りに聞かれるぞ」
耳元でそう囁けば慌てて自分の両手で口を塞ぐ。
これでもう抵抗はできまい。
更に襟をはだけさせ胸の飾りを今度は両手で摘んだり、潰したりかと思えば周りのふちを円を描いて撫で回したりする。
「ここを見ろ、順平。」
赤い果実を弾きながら真田は言う。
「実に厭らしい色をしているな。それにかわいいじゃないか、ぷっくりと腫れてまるで食べてと強請っているようだな。」
味見をしてみようか、といって片方をカリッと齧れば、体がさらに震えた。
そのまま嘗め回せば指のあいだから声が漏れ出してくる。
そのままもっと聞いていたい気がしたが、小さい子供が嫌々するように首を振る順平を見ていると、ふと悪戯心が湧いてきた。
「順平」
名を呼べば羞恥にまみれた瞳でこちらを睨みつけてきた。そんな顔は逆効果なのだと何故わからない?
「これを持っていろ。汚れるぞ」
そう言って浴衣の裾を大きく持ち上げる。
「い・・」
嫌だと言おうとしたのだろうが、順平の足の間に割り込ませていた真田の足の膝で順平をぐりぐりと刺激する。
「アアッッ!!!」
快楽に直結しているところを、前触れもなく刺激されたのだ。
思わず、といった様子で口から手を外してしまう。
「順平」
耳に息を吹きかけ聞き分けのない子供に言い聞かせるように言外に命令すれば 観念したようにギュッと目をつぶりソロソロと浴衣の裾を持ち上げる。
「もっとだ」
「!」
目を開け許しを請うような視線がきたが当然却下。仕方なく順平はもう少し震える手で裾を持ち上げる。
これでいい?という目で見てきたので
「良い子だ」
と言い額にキスをする。
既に窮屈そうな下着を下ろして開放してやれば下肢が真田の目の前に露わになる。
まるで順平が真田をほしがっているような姿にしばし見惚れる。
先走りで濡れた順平に指を絡めれば可哀想なくらいに震えだした。
流石にこれ以上コトを進めようと思ったら声が響いてしまうだろう。
・・・・・もうそろそろか 
ちらりと腕時計をに目を落とし心の中で真田は呟く。















照明の色が暗くなり世界が時を刻むことを停止する。――――影時間だ。
これでどんなに声を上げても誰も来ない。唯一この階にいて声が聞こえる人物もいるが、緊急事態以外では起きてこない性質なので大丈夫だ。
これで思う存分順平を貪ることができる。そう思うと真田は楽しくて仕方がなかった。
そんな真田の思いに気付くことなく順平は再び目を瞑り声を出すまいと耐えている。
この分では影時間にはいったことも気付いていないのだろう。
(―――だが、その努力がいつまで続くかな?)
順平自身に一気に責めを加える。と、同時に反対の手で秘所への侵略を開始した。
「ンンッ!!」
先走りを塗って滑りやすくなったひとさし指で順平のナカを刺激しつつ折り曲げて広げていく。
その間に順平自身を刺激することも忘れない。
(まずは一本・・・)
軽く出し入れを繰り返しながら慣らしてゆけば最初は怯えていたように縮こまっていたナカも、奥へ奥へと誘っていくように蠢く。
(二本目・・・・)
中指も追加し更に責めを激しくする。
かすかにある突起を執拗にこりこりと刺激すれば我を忘れて順平がついに啼きだした。
指を折り曲げたりいつの間にか増やした3本の指をバラバラに動かせば、甘い喘ぎ声は大きくなるばかり。
(頃合か・・・)
真田ももうそろそろ我慢の限界が近づいている。
愛する人の痴態をまざまざと見てもじっとしていられるほど真田も枯れていないのだから。
むしろ、絶倫。だってS田だし。
「順平」
呼びかければぼんやりと目を開けこちらを見る。たまらなくその表情が色っぽい。
素早く指を引き抜くと、呆然としていることをいいことに突然順平の片足を上げさせそのまま自身を取り出し 立ったままの状態で一気に奥まで貫く。
「ひっ!!!!」
片足で体を支えている分いつもと全く違うところを突かれ目を開き驚く順平。だがナカは真田を歓迎してきつく締め付ける。
「ゆっくり呼吸しろ。・・・・そうだ」
順平が真田の欲望に慣れるのをしばらく待つ。その間に手をのばして衝撃で縮こまった順平自身を擦る。
そしてだいぶ力の抜けたことを確認してからゆっくりと動き出した。
「は・・・ぅ・・・、・・・・ぅん・・・っ」
喘ぎ声を出し始めた順平。すでに痛みはないようだ。
「そんなに気持ちいいのか?」
衝撃でぽろりと零れた涙を舐めながら尋ねる。
「ちがっ・・・・ああっ!」
否定したお仕置きだというように一度激しく突く。
「嘘をつけ。お前のココは俺をこんなに咥えこんでいるのに」
「は・・・ぁ・・・・あ」
「じゃあ、どこにしてほしい?」
そう言って動くことを停止した。
「え・・・・・・」
「気持ち良くないんだろう?悪いが、お前がどこに欲しいのか言ってくれ」
軽く揺さぶるが、順平の欲しいところぎりぎりででわざと止める。
「ぁ・・・・・」
恨めしそうに真田を見つめる順平。
言わんと動かんぞ、と言えば固まってしまった。順平の中はぐずぐずと融けきっていて真田を強請っているのを知っていながらの犯行である。
無論、真田も既に限界が近い。しかしそれでも余裕の笑みを浮かべてみる。
「・ぉ、くに・・・・・」
「ん?すまないがもう一回言ってくれ。小さくて聞こえなかった」
胸の赤い飾りを弄びながら告げる。
「お、おく・・に・・・んっ」
「奥のどの辺だ?」
そう言えば泣きそうな目で睨み付けてきて真田を罵る。
「この・・・サドッ!」
「そういうお前はそんなサドな俺を好きなんだろう?」
「わかってる、くせ・・・・・に!」
「まあ、確かにそうだけどな。」
我ながら人が悪いと思ってしまうが、止められない。恥じらいながらも自分を求めてきてくれる姿がとても好きなのだ。
「ご褒美だ」
そう言うなり激しく腰を使い順平を責め立てる。
「・・・・ぁ!あ、あ・・・・あーー!!」
だんだんと真田も余裕を失っていき愛する恋人との甘い宴へと誘われていった。





翌日。
「・・・・腰がいてぇ・・・」
クラスメイトが楽しそうに観光をするのを横目で見ながら、順平は腰を押さえてえっちらおっちらと歩いていた。
結局真田が満足するまで情事に付き合わされてしまった。
「大丈夫?顔色悪いよ?」
はい、と順平に自販機で買ってきたジュースを渡しながら心配そうな顔をする望月。
「リョージ・・・」
「あれ?そこ、蚊にかまれた痕がある」
「へ」
ほらここ。と言って望月が首筋を指差すが、自分からは見えない位置にあるらしい。
「もうそんな時期とっくに終わったのにねえ」
「ホ、ホント、だな・・・・」
はははははと大量の冷や汗を流しながら力なく笑う。絶対にわざとだ。もしかしたら他の位置にもあるかもしれない。
(あんの腐れ白髪頭がー!!)

風呂のときどう隠そうか今から悩みながらも、絶対に暫くオアズケにしてやると誓う順平だった。




あとがき
死ぬ・・・。疲れた・・・。これ書くのに途中で詰まっちゃって結局1ヶ月はかかっちゃったよ。
喘ぎ声の参考にBL小説買わない主義なのに買っちゃったよー(普段は家族に見られたら嫌なので立ち読みしてた)
もー嫌。EROは嫌。