咎人の鎖      



「ん…ふぁ…」
艶やかな吐息を惜しげもなく漏らしながら順平は荒垣の愛撫を受け入れる。
荒垣の無骨な指が順平の体内で蠢くたびに躰が大きく跳ねる。
荒垣が着衣を少しも乱してないのに対して順平は何も身に着けていないが、それを気にする余裕は既に失われて久しい。
「ふぁ……ん……」
呼吸するために開いたその唇を己の唇で塞いで蹂躙する。
無意識に舌を絡めてくるその動作も、荒垣が教えたものだ。
同性に抱かれる、その快楽を感じるよう作り変えられた、何も知らなかった躰。
荒垣は未知への体験に怯える順平を、丁寧に根気よく、けれど容赦することなしに愛しながら犯していった。
「も、ゆび…いらない、っすからぁ…」
順平は俯いて恥じらいながらも暗に荒垣自身を催促しだす。
その先の快楽を知っていながら与えられないこの情況が、耐えられないのだろう。
その言葉に応えるように秘所から指が抜かれていく。
「!……ぁ…」
ズルリと引き抜く感触に躰が震えその次にくるであろう熱に否が応でも期待が高まる。
けれどいつまでたってもそれは来ることはなく、焦れた順平が顔を上げた。
「指いらねえんだろう?抜いたぞ」
荒垣は順平が何を求めているのかわかりきっていながら、敢えて順平を追い詰める。
「………う…あっ…!」
感度が上がりすぎて、荒垣の衣服と肌が擦れる感触にさえ反応するらしく荒垣が躰を動かすたびに声があがる。

心が軋む。

ほんとうは、順平は太陽の下で笑っているのが似合う、普通の人間で。
罪人である自分が手を出した挙句穢して良いような人間でないのに。
血塗れの、この手で触れてしまえば順平が穢れるだけだと分かっている。
人一人の命を奪いながら、のうのうと生きていることだけでも罪深いのに更に罪を重ねるのか。

それでもに触れずにはいられなかった自分は、どこまでも最低な人間だ。

「や…あらがき、さ…んっ!」
「……」
「これ、くださっ…」
ジーンズの上から猛りきった荒垣自身をなぞる、順平の指が震える。
どんな感情を抱えていようが、結局本能は反応することに自嘲したくなる。
「おねがっ…ほしいよ…っらがき、さ…!!」
漆黒の瞳から涙を流し訴える。
その願いを拒絶することなどできるはずもなく、荒垣自身をジーンズから取り出すと順平を一気に下から貫いた。
「んぅ……あぅっ、…………あ、あ、あ……っっ!!」
荒垣を歓迎する秘所を大きく揺さぶれば、収縮を繰り返しながら放すまいとでもいうように奥へ導かれていく。
「……ぅうん……あ…あ…」
しっかりと荒垣にしがみつく順平に、言いようのない気持ちを覚えながらタイミングを合わせ同時に高みへと上り詰めた。

「ひぃ……っ…んっ…ぁあ!!!」




力の抜けた順平をベッドに横たえる。
紅い所有印が散らばった躰は、どこか痛々しく荒垣の目には映った。
ぼんやりと遠くを見つめていた順平の目の焦点が目の前の無言で後始末をする荒垣へと定まると小さく口が動いた。
「すき、っす……」
微笑む順平にああ、と返す。
うまく今の自分は笑えてるだろうか。



罰は受け入れる
だから どうか 今だけは……






あとがきっぽいもの
ちょっと前に見たナルさんの荒伊絵(エロ)で裸で汁まみれの順平が余裕綽綽なガキさんに啼きながら縋りついてるのがありまして・・・。
なんかムラムラきたのかけっこう短期間で書き上げたものです。
つっても描写もっとねちっこくやったほうがよかったかなあ・・・・?
こんなもんですがナルさんに捧げときます。