最後の敵が消滅したのを確認するのももどかしく、床に倒れ伏したままのお前に走って近寄る。
「順平!!」
もたもたとした動作で近づいてきたリーダーから地返しの玉をひったくって使った。
どこからか現れた羽がそこかしこを飛び回り、お前は目を覚ます。
「ラクカジャかけられるなら、最初は自分にかけろ」
頭も掌も、躰中どこを見ても血塗れのままで死んだように意識を失った姿。
お前は俺がお前のそんな姿を目にするたびに、どんな気持ちになっているのかわからないだろう。
今回もちゃんと目を覚ましてくれるのか胸を掻き毟るような不安に苛まれるんだ。
シンジのように、閉じてしまった瞳がそのままになってしまうんじゃないかと。
お前はそんな俺の心なんて知ろうともせずに、いつだって自分よりもアイツを優先して防御の魔法をかける。
「すいません」
へらへら笑うお前を殴れたらどんなにか楽なのに。
「でも、オレよかアイツのほうが大事でしょ」
きっと俺が殴ったって。
それでもコイツはやめないんだ。
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