真田サンが大きく動くたび、衝撃で括り付けられたオレの腕がひどく痛む。
でもその痛みさえ快楽に頭が変換しちまうんだから、真田サンの盛った薬は相当なもんだったんだろう。
舌が口の中に進入してきたから、噛み付いてみた。
そしたら鉄の味が口の中いっぱいに広がった。
真田サンは傷ついた顔をしたあと、すぐに無表情に戻ってしまった。
ああもったいない。
せっかく初めてみた顔だったのに。
怯えた目をしながらもう止めてと懇願してみるけど、あっさり却下された。
演技だから別にいいけど。
だって今止められたらオレマジキツイもん。
けど、そう言わないとね?
これはレイプなんだから。
最近オレのこと避けてませんか?って挙動不審なセンパイに聞いたのだって後輩なら普通だろ?
邪魔が入ってほしくないからタルタロスにみんなが行ってる間に話そうって約束して、オレは真田サンの部屋で出されたジュースを飲んだだけ。
そしたら真田サンが躰が熱くなって苦しんでたオレを押し倒して、縛って、嫌がるオレを無理矢理犯してる。
そーゆう筋書き。
ジュースに意味ありげな粉を入れてた姿をオレが見てたとしても、オレは言う気なんてサラサラないんだから意味ないし。
淫乱だな、なんてオレの様子を揶揄すること言っちゃって、真田サンは無理に唇のはしっこをあげるけど。
失敗して歪んだ笑顔になってるよ。
演技へたっぴーだな。
イチバン止めたいと思ってんのはアンタだもんね。仕方ないか。
気付かないとでも思ってる?
ヒトのココロを読むのは案外得意なんだ。
余計なこと言って邪魔に思われたらすぐに殴られて蹴られてたよーな家の出身のオレには生きるために必要なことだったんだ。
そこから助けてここに連れて来てくれたのも真田サンだったね。
アンタにそんな意図はなかったんだろうけど。
生理的な涙が頬を伝って次から次へと真っ白なシーツに溢れて流れ落ちる。
今は汗とか涙とかその他イロイロでべとべとになってるけど。
真田サンは泣くオレが見たくないらしくて、オレをうつ伏せにすると今度は後ろからオレを犯しだした。
自分を腕で支えれないから、腰だけが持ち上がった状態。
揺さぶられて あ、あ、あ、 と断続的に高い声が出る。
繋がってる部分からも水音が聞こえてきて、なんかすっげーイヤラシイ。
真田サンがオレのこと好きなことは知ってた。
それで悩んでたことも。
真田サンがオレのことを好きになる、ずっと前から真田サンのこと見つめてたんだ。それくらい分かる。
たぶん、オレが好きって言えばそれで解決したんだろう。
だけどオレは臆病だから、こうやって保険をかける。
『真田サン』が『無理矢理』オレを犯した『事実』っていう保険。
ヒトのココロは簡単に変わるから。
オレはオレが愛され続けられるなんて信じられないから。
だからオレは罪悪感で真田サンを縛り付ける。
もしも正気に戻って、オレから離れたいと思ったときの枷になるように。
だからもっとオレを傷つけて、酷いことシテ?
大丈夫、痛いことには慣れてる。
それがアンタを縛る鎖になるなら、喜んでいくらでもオレを差し出すよ。
なんにも持ってない、からっぽのオレにはそれくらいしかできないんだ。
ねえはやく、素直にアイシテルって言って?
そしたらオレモアイシテマスと囁いて、責めないで笑ってあげる。
その方が責められるよかずっと辛いでしょ。
罪悪感で一生苦しめばいいんだ。
真田サンはオレがこれで逃げられないとでも思ってる。
真田サンは気付いてない。
オレが真田サンから逃げられないのは今更で、ホントは真田サンがオレから逃げられなくなるんだ。
あーあ、可哀想。
同情なんてしてやんないけど。
だって引き金を引いたのは真田サンなんだから。
オレはアイシテマスとココロのなかで呟いて、イヤダと言って泣いて喘いだ。
あとがき
見た目的には真田が媚薬を順平に盛って無理矢理イタしてる。
んで中身は苦悩しつつ抱いてる真田と内心ばっちこーい☆な順平(ぇ。
ルーズリーフに書いた下書きにゃ「お前はMか?Mなんだな!?」って順平に対する呟きが。
でもよく考えたら真田を追い詰めるあたりSか?(汗)
というか自分に自信ないから告白できない順平、ってだけな話な気もがひしひしと。
テーマは「小悪魔(つーか悪魔?)・確信犯・つーかM?」三本立てでした。
これも襲わせ受け?
↑このステッキーな題名は長月さんが考えてくれました。(騙まし討ちに半ば近い状況でしたが)
長月さんありがとうございましたー!
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